市場攻撃「民間人標的」 ウクライナ 死者17人、数カ月で最多


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 【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、東部ドネツク州コンスタンチノフカ中心部の市場で17人が死亡したロシアの攻撃について、周辺に軍部隊はおらず、民間人を標的にしたとして、ロシア側を非難した。民間人が犠牲となった攻撃では、ここ数カ月で最大規模となった。負傷者も30人を超えた。
 一方、ロシア国防省は7日、南部ロストフ州の州都ロストフナドヌーに同日未明、ウクライナの無人機2機による攻撃があったと発表した。ゴルベフ州知事は、うち1機が市中心部の住宅に墜落し、窓ガラスや車が破損したと指摘した。
 ロシアメディアによると、現場はウクライナ侵攻の拠点であるロシア軍の南部軍管区司令部に近い。司令部に被害があったかは不明。
 同日未明には、首都南東のモスクワ州やウクライナ国境の西部ブリャンスク州にも無人機攻撃があり、住宅や駅の建物が一部破損した。
 コンスタンチノフカへの攻撃について、AP通信が現場で撮影した写真や動画では、地面に黒焦げの遺体が横たわり、一部はまだ燃えていた。複数の車両が焼け焦げた。住人のステファン・スロワクさんはAPに「ここに軍事施設はない。街の中心にある平和な地区だ」と震える声で話した。
 ゼレンスキー氏は6日の記者会見で「市民の場所ということは誰もが知っている」と主張。攻撃はウクライナの反転攻勢に対する反発との見方を示し「ウクライナ軍が前進するたびにロシアは民間人を標的にする」と訴えた。
 ウクライナ空軍は7日、ロシア軍が一晩で北東部スムイ州や南部オデッサ州方面にイラン製無人機シャヘドを33機発射したが、このうち25機を撃墜したと発表した。
ロシアに攻撃されたウクライナ・ドネツク州コンスタンチノフカで、焼け焦げた車両=6日(ウクライナ非常事態庁提供・ロイター=共同)