ASEAN会議 「中国の威圧」日米非難 中ロ、米の陣営化に反対


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 【ジャカルタ共同】東南アジア諸国連合(ASEAN)と日米中ロなどが参加する東アジアサミット(EAS)がジャカルタで7日開かれた。日米やフィリピンなどが南シナ海での中国の威圧的行動を非難し、法に基づく国際秩序を守るよう迫ったのに対し、中ロは米国が主導する「陣営化」の動きに反対を表明。応酬を繰り広げた。5日から開かれたASEAN関連首脳会議は7日閉幕した。
 EASで、岸田文雄首相はロシアのウクライナ侵攻や核の威嚇を非難した。南シナ海でも軍事拠点化や威圧が続いているとして中国を暗に批判。ハリス米副大統領は「南・東シナ海での中国の挑発的な行動」に懸念を示し、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調した。
 中国海警局の艦船は南シナ海で8月、フィリピン軍拠点に向かう補給船団を高圧の放水砲を使って妨害した。フィリピンのマルコス大統領は海警局艦船の「危険な使用」に抗議し、南シナ海を埋め立てて軍事拠点化していると批判した。ベトナムも「航行の自由」の必要性を訴えた。
 一方、中国の李強首相は「競合組織や小さな陣営をつくろうとする試みに断固反対する」と述べた。ロシアのラブロフ外相はアジア太平洋地域で域外国が「軍事化」を強めているとし、米国をけん制した。
 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について、李氏は触れなかったが、岸田氏は国際基準に基づき安全確保に万全を期していると説明。ハリス氏は日本を支持し「恐怖をあおる偽情報の拡散」に懸念を示した。
 岸田氏は安定的で建設的な日中関係を目指し、習近平国家主席と共に努力していくと述べた。
インドネシア・ジャカルタで開かれた東アジアサミット=7日