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「平和へ 沖縄から努力」 韓国文学賞受賞の目取真さん


「平和へ 沖縄から努力」 韓国文学賞受賞の目取真さん 11日、ソウルで記者会見する作家の目取真俊さん
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 【ソウル共同】韓国で南北の分断や統一をテーマに執筆を続けた小説家、故李浩哲(イホチョル)氏を顕彰する第7回「李浩哲統一路文学賞」に沖縄県在住の芥川賞作家目取真俊さん(62)が選ばれ、ソウルで11日、記者会見が開かれた。目取真さんは「東アジア全体が平和な中で文学を楽しめる社会が来るよう、沖縄の地で努力していきたい」と述べた。
 同賞は李氏が拠点を置いたソウル市恩平区が主催。目取真さんの特定の作品に対してではなく「米軍基地問題などの社会問題を批判し、文化的に昇華させた」として執筆活動全般を評価した。
 目取真さんは、北朝鮮・元山出身で朝鮮戦争中に韓国へ逃れた李氏の小説からは、沖縄で太平洋戦争の戦中戦後を生きた父と重なる部分を感じるとした。その上で「沖縄が差別や分断の歴史を経てきた島であることも(共感に)関係すると思う」と語った。近隣地域で「台湾有事」の危機が叫ばれる中で「沖縄は、中国と米国あるいは日本の間で非常に厳しい状況にある。東アジアの危機でもあり、食い止めていくのが自分たちの課題だ」とも訴えた。
11日、ソウルで記者会見する作家の目取真俊さん