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メキシコで国連業務 那覇市出身 徳森りまさん


メキシコで国連業務 那覇市出身 徳森りまさん 国連開発計画でメキシコにおける女性への暴力に関する研修に参加する徳森りまさん(中央)
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 那覇市出身の徳森りまさんが4月から、国連ボランティア(UNV)としてメキシコで活動している。国連開発計画(UNDP)メキシコ事務所で平和構築スペシャリストとして業務に当たる。同国のビジネスと人権に関わるプロジェクトを担当している。
 2016~18年、JICA青年海外協力隊員として南米コロンビアとペルーで活動してきた。半世紀以上続いた紛争の傷がまだ癒えないコロンビア・グラナダ市で、市役所職員として沖縄戦や沖縄の平和への取り組みを伝えるイベントを実施するなど、紛争犠牲者やコミュニティーを支援した。ペルーでは、リマ市内の児童福祉施設で子どもらの教育サポートに加え、沖縄県人会や日系社会でボランティア活動を行った。
 帰国後、早稲田大学大学院博士課程でジェンダーやマイノリティーの権利について学ぶ中で、国連ボランティア派遣制度に合格してUNDPに採用された。「戦争の悲惨さを知っているウチナーンチュだからこそ、平和構築の分野で世界に貢献できると思った。思いが認められてうれしい」と話す。
 駐在して数カ月が過ぎ、生活にも慣れてきたという。「メキシコは国家を挙げて人権プログラムを作り、国際機関と連携しながらジェンダーや子ども、社会的弱者の権利保護に取り組んでいて、学ぶことが多い。世界中で差別や暴力に苦しんでいる人たちがたくさんいるが、悲しみのない世界に一歩でも近づけるように、できることから頑張っていきたい」と力強く意気込みを伝えた。
 (安里三奈美通信員)
国連開発計画でメキシコにおける女性への暴力に関する研修に参加する徳森りまさん(中央)