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ロシア空海軍を視察 金正恩氏 米、武器供与を警戒


ロシア空海軍を視察 金正恩氏 米、武器供与を警戒 16日、ロシア・ウラジオストク近郊で、極超音速ミサイル「キンジャル」を見る金正恩氏(ロシア国防省提供・ロイター=共同)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 ロシア極東を訪問している北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は16日、特別列車で沿海地方ウラジオストク郊外のアルチョムの駅に到着し、ロシアのショイグ国防相と共に空軍基地で航空宇宙軍の戦略爆撃機などを視察した。その後、ウラジオストクに司令部を置く太平洋艦隊のフリゲート艦に乗船、ウクライナ侵攻でも使用される巡航ミサイル「カリブル」など装備の説明を受けた。ロ朝が連携を強める方針を鮮明にしたことで、米国は北朝鮮による武器供与の可能性に警戒を強めている。
 ロシア国営テレビは金正恩氏が笑顔を見せながら、核搭載可能な長距離戦略爆撃機ツポレフ160などを視察する様子を放映した。
 空軍基地で、ショイグ氏は最新鋭の極超音速ミサイル「キンジャル」も披露。フリゲート艦「マルシャル・シャポシニコフ」の視察後に、金正恩氏と昼食を共にした。
 北朝鮮メディアは16日、金正恩氏が15日にハバロフスク地方の戦闘機製造工場を視察したことを報じ、その際に「ロシアの航空技術が外部の潜在的脅威を圧倒し、急速な発展を成し遂げている」として「心からの敬意」を表明したと伝えた。
 金正恩氏は、レーダーに感知されにくいステルス機能を備えた最新鋭戦闘機スホイ57の操縦席のそばに近づき、技術的特性や飛行性能に関する説明を受けたという。航空技術を発展させるためロシアからの支援に期待しているもようだ。
 金正恩氏には朝鮮人民軍の金光赫(キムグァンヒョク)空軍司令官と金明植(キムミョンシク)海軍司令官が随行しており、ロシアと空、海軍間の協力強化も図りたい考えとみられる。 
16日、ロシア・ウラジオストク近郊で、極超音速ミサイル「キンジャル」を見る金正恩氏(ロシア国防省提供・ロイター=共同)