【パリ共同】サウジアラビア・リヤドで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は15日、文化遺産に登録されているウクライナ首都キーウ(キエフ)の「聖ソフィア大聖堂と関連する修道院群」と西部リビウの歴史地区について、存続が危ぶまれる「危機遺産」に指定した。ロシアの侵攻による爆撃などの危機にさらされているのが原因。
世界遺産委は今年1月、ウクライナ南部オデッサの歴史地区も、世界遺産登録の決定と同時に、侵攻を踏まえ危機遺産に指定している。
世界遺産委はキーウとリビウの遺産について「戦争による潜在的な危機に脅かされている」と指摘。「爆撃による衝撃波に対しても脆弱(ぜいじゃく)だ」と強調した。今後、財政・技術的な支援を受けやすくなる。
世界遺産に被害を及ぼす行為は条約で禁じられているが、ウクライナではロシア軍による文化財への攻撃が後を絶たない。指定によってロシアの攻撃や破壊に歯止めがかかることを狙う。
15日の委員会でベルギーは、日本やイタリアなど5カ国を代表して「遺産保護はウクライナだけでなくグローバルな責任だ」と述べ、国際社会に連帯を呼びかけた。
ウクライナでは7月上旬、リビウの歴史地区の周辺環境を保護するために設けられた緩衝地帯に攻撃があった。オデッサの歴史地区も同月、ミサイル攻撃を受け多くの貴重な建物に被害が出た。
ウクライナ首都キーウの「聖ソフィア大聖堂」=2022年3月(AP=共同)
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キーウ大聖堂 危機遺産に ユネスコ指定 侵攻受け
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琉球新報朝刊
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