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処理水放出3週間余 日本大使館 40万件迷惑電話 北京 ピーク時1日4万超


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【北京共同】東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が始まった8月24日以降の3週間余りで中国国内から北京の在中国日本大使館に累計40万件を超える迷惑電話があったことが19日分かった。ピーク時は1日4万件を上回り、現在も1万件前後の着信がある。日本政府は通常業務に支障が出るとして中国政府に対応を繰り返し求めたが、改善されていない。日本政府関係者が明らかにした。
 中国の国内法では頻繁な迷惑電話により他者の正常な生活に干渉した場合、法的責任を負うと規定されている。日本政府は悪質なケースは取り締まるよう中国側に働きかけていく構えだ。
 日本大使館は迷惑電話の件数を受信記録などから調べており、海洋放出開始の翌日の8月25日に1日4万件を超えた。一度に30件の電話を取ることができる大使館の交換機がパンクする状態だったという。
 日本への嫌がらせが相次ぐ中、日本政府関係者は「泣き寝入りは絶対にしてはならない」と強調した。
 海洋放出後、中国から日本国内の個人や施設にも相次いだ迷惑電話を巡り、中国外務省は「現在の局面を招いた根本的な原因は日本政府が核汚染水の海洋放出を強行し、国際社会の憤慨を引き起こしたことにある」(汪文斌副報道局長)との見解を示している。中国政府関係者は「中国は法治国家であり、犯罪行為には必要な対応を取っている」と主張した。