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アゼル大統領 勝利宣言 カラバフ側との会談開始


アゼル大統領 勝利宣言 カラバフ側との会談開始 21日、アゼルバイジャン・エブラフで会談する同国とナゴルノカラバフ側の代表ら(AP=共同)
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 旧ソ連アゼルバイジャンのアリエフ大統領は20日にテレビ演説し、隣国アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフで19日に始めた軍事行動により「主権を回復した」と述べ、勝利宣言した。アルメニアが不法に配置した部隊の拠点を破壊し、部隊が撤退を始めたと主張。アルメニアとの平和条約の早期締結に意欲を示した。タス通信などが伝えた。
 アゼルバイジャンとナゴルノカラバフ側の代表は21日、アゼルバイジャン中部エブラフで会談した。ナゴルノカラバフ側が20日の停戦合意で約束した武装解除の実行とともに、現地のアルメニア系住民の扱いが話し合われたとみられる。ナゴルノカラバフの代表は会談終了後、最終的な合意には至っていないと述べた。平和維持部隊を派遣するロシア国防省は21日、約5千人を避難させたと明らかにした。
 ロシアのプーチン大統領は20日にナゴルノカラバフを支援するアルメニアのパシニャン首相と、21日にはアゼルバイジャンのアリエフ大統領と電話会談し、停戦合意の実行を促した。アリエフ氏は、20日にロシア平和維持部隊の車が射撃され複数の死者が出たことについて謝罪し、関係者の処罰を約束した。
 ナゴルノカラバフ当局者は19日からのアゼルバイジャンの軍事行動で200人弱が死亡したと主張した。20日の合意はアルメニア軍撤退や武装組織解体などナゴルノカラバフの全面降伏に近い内容。アルメニアの首都エレバンでは軍事行動に対抗しなかったパシニャン氏の辞任を求めて数千人が首相府に詰めかけた。

21日、アゼルバイジャン・エブラフで会談する同国とナゴルノカラバフ側の代表ら(AP=共同)