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米ウクライナ 結束再確認 首脳会談、480億円追加支援 長射程弾供与は見送り


米ウクライナ 結束再確認 首脳会談、480億円追加支援 長射程弾供与は見送り ウクライナのゼレンスキー大統領(左)と対面するバイデン米大統領=21日、ホワイトハウス(AP=共同)
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 【ワシントン共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、米ワシントンのホワイトハウスを訪問し、バイデン大統領と会談した。両首脳はロシアに対する反転攻勢の最新状況を共有し、結束を改めて確認。バイデン氏は最大3億2500万ドル(約480億円)の追加軍事支援を発表した。ウクライナが求めていた長射程の地対地ミサイル「ATACMS」の供与は見送った。両首脳の対面会談は7月以来。
 ゼレンスキー氏は長期的な支援継続を要請。米議会では野党共和党の保守強硬派が財政負担増加を批判しており、バイデン氏は再選を目指す大統領選を来年秋に控え、予算措置に苦慮する可能性もある。
 ゼレンスキー氏は会談で「世界の自由と民主主義を守るために連携を強化する」と述べた。バイデン氏は「ロシアはイランや北朝鮮から、さらなる武器調達を模索している」と非難。「米国は絶対に逃げ出さない」とし、ウクライナを安全保障面で支える決意を示した。「ウクライナの主権と領土の一体性を尊重した公正で恒久的な和平を支持する」とも語った。
 ゼレンスキー氏は会談に先立ち連邦議会で民主、共和両党の上院議員や下院指導部と非公開の会合に臨み「支援を得られなければ戦争に負けることになる」と理解を求めた。
 国防総省ではオースティン長官と面会し「領土奪還には、支援国が適切な時期に武器と弾薬を供給することが重要だ」と述べた。米中枢同時テロの現場で献花もした。
 今回の追加支援には移動式防空システム「アベンジャー」や高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の弾薬などが含まれる。非人道的と指摘されるクラスター(集束)弾も再び供与する。バイデン氏は、主力戦車エーブラムスがウクライナに来週到着するとの見通しも示した。
 ゼレンスキー氏は21日、カナダを訪問。トルドー首相と会談し、議会で演説する。