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日中、11月首脳会談焦点 首相帰国 ASEAN連携拡大も


日中、11月首脳会談焦点 首相帰国 ASEAN連携拡大も 想定される今後の主な外交日程
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相は米ニューヨークでの国連総会一般討論演説など一連の日程を終えた。22日夜、政府専用機で羽田空港に帰国した。岸田外交は当面、東京電力福島第1原発の処理水放出に反発する中国への対応が最大の課題となる。11月の米国でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて習近平国家主席と会談できるかどうかが焦点。日本が重視する東南アジア諸国連合(ASEAN)との連携拡大も進める考えだ。
 中国は処理水放出を受け、日本産水産物の輸入を停止。日本は即時撤廃を求めており、立場の溝は埋まっていない。日本政府筋は「対立のとげを抜き、建設的な議論に入る必要がある」と強調する。
 首相はニューヨークでの20日の記者会見で「中国とはあらゆるレベルで緊密に意思疎通を図っていきたい」と表明。APEC首脳会議に習氏が出席するのを前提に、約1年ぶりとなる会談の機会を探る。10月23日の日中平和友好条約発効45周年の節目に、首脳間でメッセージを交換する可能性もあり、対話の機運が高まるかどうか注目される。
 首相は「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国との関係強化も目指す。12月に日ASEAN特別首脳会議を東京で開催。インド太平洋地域の平和と安定の重要性を確認したい考えだ。
 日中韓3カ国の首脳会談に向けた動きもある。新型コロナウイルスや関係悪化の影響で2019年12月を最後に途絶えているが、年内開催を視野に調整を進める。