旧ソ連アルメニアのパシニャン首相は22日、係争地ナゴルノカラバフでの隣国アゼルバイジャンによる軍事行動を受け「人道危機が続いている」との認識を示した。アルメニア系住民が現地にとどまるのが困難になれば4万人を受け入れる用意があると述べた。タス通信などが伝えた。
アゼルバイジャンのハジエフ大統領顧問はロイター通信に、ナゴルノカラバフの戦闘員が武器を放棄すれば恩赦を与える考えを示した。ナゴルノカラバフ側は武装解除の条件として安全保障を求めている。アリエフ大統領は20日の演説で勝利宣言し、アルメニア系住民の統合を進める意欲を表明。食料などの支援物資を現地に送った。
インタファクス通信などによると、パシニャン氏は21日の演説で、20日の停戦合意は「全体として守られている」と語った。「われわれにも責任の一端があるが、ロシアの平和維持部隊の失敗だ」と不満を口にした。
2020年の軍事衝突でアルメニアが敗北後、同国とナゴルノカラバフを結ぶ「ラチン回廊」の通行をアゼルバイジャンが認めなくなったことに関しては「ロシアの平和維持部隊の管理下に置かれるべきで、民間人の安全を保証すべきだった」と述べた。
アルメニアによると19~20日のアゼルバイジャンによる軍事行動で200人以上が死亡、約400人が負傷し、1万人以上が避難を強いられた。アルメニアの首都エレバンでは首相退陣を求める野党勢力のデモが22日も政府庁舎前などで続き、インタファクス通信は野党側の集計として350人が拘束されたと伝えた。
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アルメニア「人道危機」 首相、4万人受け入れ用意
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琉球新報朝刊
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