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若者、沖縄と強い絆を 大工廻さん 3度目の来沖研修


若者、沖縄と強い絆を 大工廻さん 3度目の来沖研修 2023年度日系社会研修員として来沖した大工廻ルーカスさん
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 ブラジル出身で沖縄県系4世の大工廻(だくじゃく)ルーカスさんが、国際協力機構(JICA)の2023年度日系社会研修員受入事業「ウチナーネットワークを活用した持続可能なコミュニティ運営」の研修員として、8月から沖縄に派遣されている。研修期間は24年1月まで。
 大工廻さんはブラジルの広告会社に勤務するグラフィックデザイナーで、サンパウロ州立ウニアラ大学でマーケティングやグラフィックデザインを学んだ。研修受け入れ企業の一般社団法人世界若者ウチナーンチュ連合会(WYUA)で沖縄の文化・歴史・自然などを学び、デザイン技術を生かしながらイベントの企画や運営を行う予定という。
 大工廻さんの父方のルーツは旧与那城町照間(現うるま市)。16年に母方のルーツがある北中城村で3カ月間、19年に祖母のルーツがある恩納村で6カ月間の研修に参加した。その際、WYUAの活動に興味を持った。昨年度、日系社会研修に参加した照屋ブルーノさん=ブラジル出身=の体験談も応募の後押しとなった。
 「WYUAの研修でいろんな経験ができる。沖縄の歴史、県民のこと、沖縄文化や生活をもっと学びたい。沖縄の人と南米にいるウチナーンチュの絆を強くして、ブラジルに帰ったら学んだことを若者に伝えたい。若者がもっと沖縄に興味を持って、ウチナーンチュであることに誇りを持ってほしい」と抱負を語った。
 ブラジル・サンパウロにある玉城流扇寿会斎藤悟琉舞道場で15年間、琉球舞踊を習っている大工廻さんは、研修以外では琉球舞踊を学びたいという。
 (安里三奈美通信員)
2023年度日系社会研修員として来沖した大工廻ルーカスさん