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カラバフ避難民を支援 米、国際開発局長官が表明


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米国際開発局(USAID)のパワー長官は26日、訪問先のアルメニアで、隣国アゼルバイジャンとの係争地ナゴルノカラバフから避難してきたアルメニア系住民への人道支援として1150万ドル(約17億円)を拠出すると表明した。インタファクス通信が伝えた。
 タス通信によると、アゼルバイジャン保健省は27日、ナゴルノカラバフで19~20日に行った攻撃で同国部隊の計192人が死亡し511人が負傷したと公表した。アルメニアは死者200人以上、負傷者約400人としており、今回の交戦の激しさが明確になった。
 ロイター通信によると、パワー氏は住民が避難してくる様子を視察。アルメニア系住民の権利保護を表明したアリエフ・アゼルバイジャン大統領は具体的な行動を取るべきだと記者団に述べた。
 アルメニア政府は27日、ナゴルノカラバフから保護を求めて同国入りした避難民が27日までに4万7千人以上になったと発表した。
 パワー氏は25日にアルメニア入り。首都エレバンでパシニャン首相と会談した。アルメニア政府によるとパワー氏は、エネルギーや安全保障の分野での協力を約束したバイデン大統領の書簡を手渡した。ブリンケン米国務長官は26日、アリエフ氏と電話会談、国際監視団のナゴルノカラバフ入りを認めるよう求めた。
 一方、ロシア大統領報道官は26日、ロシアはアルメニアに各種資源を安価に供給し、経済を支えていると指摘。今後も協力を続けると述べた。
 ナゴルノカラバフ紛争を巡ってロシアとの関係が冷却化しているパシニャン政権は欧米に接近。ウクライナ侵攻で旧ソ連圏での影響力が低下しているロシアは強く警戒している。