在日被爆者に　「背を向けぬ」　韓国大統領、４０人招く

　【ソウル共同】韓国の尹錫悦（ユンソンニョル）大統領＝写真右＝は２９日、広島で被爆した在日韓国人ら約４０人を招いた昼食会をソウルで開き「政府は同胞の痛みに二度と背を向けない」と誓った。
　尹氏は５月に広島を訪問した際、現職大統領として初めて在日韓国人被爆者らと面会し、韓国に招くと約束していた。出席者は「核兵器のない世界を望む」と朝鮮半島の非核化を訴えた。
　尹氏は「みなさんを迎えるまで７８年もかかった。遅くなり申し訳ない」と謝罪。日本での苦労をおもんぱかり「韓日関係を未来志向的に発展させ、同胞のために最善を尽くす」と語った。韓国では在日コリアンへの関心が薄いとされる中、尹政権は在外同胞の支援に力を入れている。
　広島市西区の被爆２世権俊五（クォンジュノ）さん（７４）＝同左＝はあいさつで「二つの願いがある」と訴えた。一つ目の韓国大統領による慰霊碑参拝はかなったが残りの核兵器のない世界は「達成していない」と強調。北朝鮮の脅威を念頭に、尹政権の非核化に向けた取り組みを支持すると話した。在日コリアンが日本で差別を受けてきたことを踏まえ、日韓関係の改善が進むことで「過去とは違う良い環境で生きていける希望を持つようになった」と話した。