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米政府機関の閉鎖回避 「つなぎ予算」土壇場成立


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 【ワシントン共同=建部佑介】米議会上下両院は9月30日、11月中旬までの政府支出を賄う「つなぎ予算」案を超党派で可決した。バイデン大統領の署名を経て成立した。予算が成立しなければ10月1日から政府機関が一部閉鎖する見通しだったが、期限直前の土壇場で回避された。
 先に可決した下院での投票は賛成335、反対91。賛成票の多くは与党民主党票で、つなぎ予算案を主導した野党共和党のマッカーシー下院議長が党内保守強硬派の反対を押し切った。上院は賛成88、反対9だった。
 ただ、つなぎ予算の失効までに本格的な予算を成立させられるかどうかは見通せない。共和党保守強硬派の反発は必至で、政府閉鎖の危機が再燃する可能性もある。
 つなぎ予算は11月17日までの予算を確保し、本格的な予算案の審議時間を稼ぐ狙いがある。バイデン氏は声明で、つなぎ予算案の可決を「不必要な危機を防いだ。国民にとって朗報だ」と歓迎。マッカーシー氏は記者団に「われわれは政府(機関)を閉鎖せず、軍隊に給与を払い続けるため、やらなければならない仕事を終わらせた」と述べた。
 2024会計年度(23年10月~24年9月)の予算を巡り、上院も超党派でつなぎ予算案を取りまとめていた。成立したつなぎ予算は、上院案から共和党の保守強硬派が反対するウクライナ支援を除外。一方、民主党の賛同を得るため、災害支援に160億ドル(約2兆4千億円)を盛り込んだ。バイデン氏は声明の中でウクライナ支援継続への対応を議会に促した。
 政府機関が閉鎖されると、多くの連邦政府職員が一時帰休となる。米格付け大手は米国債にマイナスだと警告。経済に打撃を与え、金融市場に影響を及ぼす恐れがある。