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キーウでEU外相会合 域外初 ウクライナ結束誇示


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【キーウ、ブリュッセル共同】欧州連合(EU)は2日、ロシアの侵攻を受けるウクライナの首都キーウ(キエフ)で、EU域外では初となる外相会合を開いた。ウクライナのゼレンスキー大統領も参加し、加盟27カ国の外相らに「われわれの勝利は皆さんの協力にかかっている」と訴えた。EUの外相に当たるボレル外交安全保障上級代表が支援強化を提案し、結束を誇示した。
 ボレル氏は会合後の記者会見で、ウクライナ支援の「強いメッセージを発した」と述べた。ただ同国と穀物輸入に関して摩擦を抱えるポーランドは外相を送らず副大臣が出席。欧州のメディアによるとハンガリーの外相も欠席し、支援を巡るEUの足並みの乱れをうかがわせた。
 ボレル氏は会合で、EUの基金「欧州平和ファシリティ」を活用し、ウクライナに対して来年、最大50億ユーロ(約7800億円)を支援することを提案。記者会見で年内の合意を目指すとした。
 また、今後数カ月間で戦闘機のパイロットを含むウクライナ兵4万人の訓練を実施し、欧州とウクライナの防衛産業の協力を強化。サイバー防衛や偽情報対策、地雷の除去でも支援を進める。
 会合ではウクライナが目指すEU加盟についても協議した。ウクライナのメディアによると同国のクレバ外相は会合後の記者会見で、加盟はいずれ実現できるという合意を得たと強調。ボレル氏は「ウクライナは加盟候補国としての道を進んでいる」と述べた。
 一方、ポーランド通信によると、同国のラウ外相は自身の不参加に関し「ウクライナとの関係が下降期に入りつつあることが一因だ」と述べた。