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スペイン首相決まらず混迷 カタルーニャ独立派が鍵


スペイン首相決まらず混迷 カタルーニャ独立派が鍵 記者会見するスペインのサンチェス首相=3日、マドリード(ロイター=共同)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【パリ共同】スペインで、7月の総選挙から2カ月以上たっても政権が樹立できず、首相が決まらない政治的混迷が続いている。国王フェリペ6世は3日、サンチェス現首相に政権樹立を指示。北東部カタルーニャ自治州の独立派がサンチェス氏支持に回るかどうかが成否の鍵を握るが、先行きは不透明だ。11月27日までに政権を樹立できなければ、来年1月中旬に再選挙となる。
 7月23日の総選挙では中道右派の国民党が第1党となった。これを受け下院で9月、国民党のフェイホー党首を首相候補とする信任投票が2度実施されたが、フェイホー氏は過半数を得られず不信任に。国王は今月3日、第2党の穏健左派、社会労働党のサンチェス書記長を首相候補に指名、政権樹立を指示した。
 ただ社会労働党も、他の左派政党と組んでも過半数を得られない厳しい状況だ。2017年にカタルーニャ自治州の独立の是非を問う住民投票を強行したプチデモン元州首相=ベルギーに出国=率いる「カタルーニャのための連合(JXC)」の議員7人がサンチェス氏側に回るかどうかが成否の分かれ目となる。
 これまでJXCは政府と激しく対立してきた。サンチェス氏は3日の記者会見で、寛容な姿勢を強調してJXCに秋波を送ったが、独立活動家らの恩赦などJXCの要求を受け入れれば右派が猛反発するだけでなく身内の左派からも批判を浴びる可能性がある。サンチェス氏は苦渋の選択を強いられそうだ。
記者会見するスペインのサンチェス首相=3日、マドリード(ロイター=共同)