「量子ドットの発見と合成」に関する研究が今年のノーベル化学賞に決まりました。太陽電池や医療での活用が期待されています。
Q 量子ドットとは?
A 半導体を1ミリメートルの100万分の1であるナノサイズにまで細かくした微粒子のことです。直径10ナノメートル以下で、液体や固体の材料に分散させて使います。光を照射したり電流を流したりすると、明るく色鮮やかに発光します。
Q 発光する色は変えられる?
A 粒の大きさを変えることで発光する色が変わります。粒が小さいと青色、大きいと赤色になります。中間では緑、黄、オレンジとなります。
Q どんなものに使えるの。
A テレビのディスプレーで実用化されています。さまざまな大きさの量子ドットを混ぜ込んだシートをはさむことで、狙った色をより鮮やかに再現します。幅広い波長の光を吸収するため、太陽電池で使うと、従来は吸収できなかった光も使え、発電の効率が上がると期待されます。体の中に入れて特定の細胞や組織を光らせれば、医療の現場で病気の診断に使うこともできそうです。
Q 課題は。
A カドミウムや鉛など毒性のある物質を使って作ることが多いため、環境への負荷の少ない材料を使うような研究が進んでいます。
有料
Q&A 量子ドット 粒の大きさで色が変化
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琉球新報朝刊
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