東京電力は5日、福島第1原発の処理水の2回目となる海洋放出を始めた。放出予定の処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度は想定通りと確認しており、初回と同じ7800トンを、17日かけて放出する。東電は周辺海域のトリチウム分析結果を連日公表し、国も魚の分析などで後押しするが、漁業者の理解は得られていない。
海洋放出は、風評被害を懸念する漁業者が反対し、中国が強硬に反発する中で8月24日に始まり、9月11日に初回分を終えた。放出後も設備に異常は見つかっておらず、国や東電、福島県が原発周辺で採取した海水や魚のトリチウムの濃度にも異常はなかった。
中国は日本産水産物の輸入を全面停止し、青森県では中国向けに輸出するナマコの漁を当面見送る。
青森県漁業協同組合連合会の二木春美会長は「海洋放出はやってほしくない。終わるまでに何十年もかかる。東電がきちんとやれるのか」と不安を隠さない。
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処理水、2回目放出 福島原発 17日かけて7800トン
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琉球新報朝刊
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