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現代演劇の“鬼才”


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 作品の斬新さと独自性で、現代演劇の旗手と目されてきたノルウェーの“鬼才”。同じくノーベル文学賞を受賞したアイルランド出身の小説・劇作家サミュエル・ベケットになぞらえ「21世紀のベケット」の異名を持つ。
 1959年、フィヨルドで有名なノルウェー西海岸の町で生まれた。同国西部のベルゲン大で比較文学を専攻、学んだ文学理論が後の創作に影響を与えた。
 80年代から小説や詩を出版し、北欧では一目置かれる存在だった。90年代に戯曲を中心に手がけるようになると、国際的な脚光を浴びた。
 無駄を排した構成が特徴で、同じせりふの繰り返しを多用することもある。詩的な言い回しで人間の存在に迫り、日常に潜む不条理を浮かび上がらせる。
 作品は40以上の言語に翻訳され、世界各国で上演されている。日本でもこれまで「だれか、来る」「ある夏の一日」「死のバリエーション」などが上演された。
 エッセーや児童文学なども手がける多才ぶりで知られる。欧州のみならず、世界の現代演劇をリードする存在だ。(ストックホルム共同)