有料

日本が変革働きかけを 女性ら、政府に要望の声


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 イランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディさん(51)がノーベル平和賞に決まったのを受け、日本で人権擁護や女性の地位向上を訴える人たちからは、自由を追求する長年の活動をたたえ、日本政府によるイランへの変革の働きかけを求める声が上がった。
 国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」日本代表の土井香苗さん(48)は、イランで若い女性を中心に髪を隠すヘジャブなどに対する抵抗運動が広がっていると指摘。「日本は欧米と比べてイランとの関係が良い。日本政府はその立場を生かし、政治的弾圧をやめ、女性の人権を尊重する政策へ変更するよう求めていくべきだ」と語った。
 エッセイストの小島慶子さん(51)は、今回の平和賞を機にイランで何が起きているのかを知るとともに、日本社会を顧みるきっかけにするべきだとの立場。「日本でも性別を理由とした差別や女性への足かせが暗黙の常識として日常生活に組み込まれていることに着目し、自身の半径2メートルから見直していくきっかけにする必要がある」と訴えた。「近年の平和賞は世界で起きている事象から、人権のために声を上げる人々を力づける時事性がある」と評価した。
 若者の政治参加を促す団体「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さん(25)は、モハンマディさんがイスラム体制下のイランで女性への抑圧や人権侵害を告発し、繰り返し逮捕された状況に触れ「日本では命を脅かされることはないので、(私たちは)自分の持っている権利を大切に行使していくべきだ」と訴えた。