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人権への願い、強い力に 平和賞授与 ノーベル賞委員長会見 イラン女性活動家「象徴」


人権への願い、強い力に 平和賞授与 ノーベル賞委員長会見 イラン女性活動家「象徴」 6日、単独会見に応じるノルウェー・ノーベル賞委員会のレイスアンデルセン委員長=オスロ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【オスロ共同=伊東星華】ノルウェー・ノーベル賞委員会のレイスアンデルセン委員長(69)は6日、イランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディさん(51)への平和賞授与決定に関し、厳格なイスラム体制に異議を唱えるイランの女性たちをたたえた。「基本的人権を享受したいという人々の願いは、当局が無視できないほど強い力になっている」と述べた。
 共同通信とオスロで単独会見した。モハンマディさんについて、抑圧に抵抗し、自由を求める運動の「象徴」だと指摘。「女性の権利やイランの民主化運動において紛れもない指導者だ」と称賛した。今年の平和賞は「数十万人のデモ参加者の行動を正当に評価するものだ」とも話した。
 イランでは昨年、女性のスカーフ着用義務に抗議するデモが全土に広まった。レイスアンデルセン氏は「イランの場合、国家が抑圧の手段として教義を利用している」と批判。デモは「自分が思うように人生を送ることを否定されたことへの抗議でもある」と語った。
 当局の厳しい監視にもかかわらず、スカーフを外した姿を動画投稿アプリなどで公開する若いイラン女性も多い。レイスアンデルセン氏は「少女たちは新たな技術を使い、校庭で抗議している」と述べ、自由を求める女性たちの声が強まっていると説明。平和賞が励みとなることに期待した。2017年から委員長を務めてきたレイスアンデルセン氏は、今年で満了する6年の任期を振り返り「世界に良い影響を与えることが可能で、そうする責任を負っている。世界が変わることを信じている」と総括した。
6日、単独会見に応じるノルウェー・ノーベル賞委員会のレイスアンデルセン委員長=オスロ