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「セルビア、領土拡大狙う」 コソボ首相会見 独立15年も対立続く


「セルビア、領土拡大狙う」 コソボ首相会見 独立15年も対立続く コソボ・プリシュティナ、セルビア・ベオグラード
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 コソボのクルティ首相は7日までに、首都プリシュティナで共同通信の単独インタビューに応じた。2008年の独立宣言から15年たっても認めず対立が続く隣国セルビアについて、コソボや近隣諸国のセルビア系住民を利用して「領土を広げようとしている」と批判した。コソボは断固として対抗する姿勢を示した。
 セルビアに関し「コソボと地域を不安定化させようとしている」と強調。ロシアがウクライナ東部ドンバス地域や南部クリミア半島、ベラルーシに触手を伸ばす手法に似た構図だと指摘した。
 コソボはアルバニア系民族が主体だが、北部はセルビア系住民が多く、火種となっている。北部では9月下旬に警察部隊が襲撃され、死傷者が出た。クルティ氏は「テロ攻撃」だったと非難し、セルビアによる「北部併合に向けた大規模計画の一部」だと訴えた。
 事件では、武器など「500万ユーロ(約7億9千万円)超相当」を押収し「全てがセルビア製だった」と説明。対セルビア制裁が必要だと呼びかけた。
 クルティ氏は北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)加盟を目指すと明言した。日本からは環境などの分野で支援を受けているという。バルカン半島でコソボが「最も信頼できる日本のパートナーになりたい」と述べ、貿易や投資の拡大に期待を示した。
 コソボは旧ユーゴスラビアを構成したセルビアの自治州として統治下に置かれ、1990年代末に内戦状態となった。08年2月にセルビアからの独立を宣言した。(プリシュティナ共同)
共同通信の単独インタビューに応じるコソボのクルティ首相