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困窮、地震が追い打ち 女性抑圧で支援困難も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 アフガニスタンで多数の犠牲者を出した地震は、経済難で困窮する国民に追い打ちをかけた。イスラム主義組織タリバンの復権後、国際社会による支援は細っており、女性抑圧を強めるタリバン暫定政権は、国連などの女性職員に出勤停止を命令した。暫定政権の支援能力も限られ、被災者支援が十分に行き届かない恐れがある。
 タリバンは2021年8月に復権。国際社会は「テロの温床」となる懸念からタリバンに制裁を科している。経済が低迷し失業者の増加や収入減少につながった。独自解釈するイスラム法統治の強化を掲げ、女性抑圧を強めるタリバン。暫定政権は今年4月までに国連と非政府組織(NGO)に女性職員の出勤停止を命じた。アフガンでは女性が家族以外の男性と接触を避ける慣習がある。被災した女性への女性職員による支援が難しくなり、活動を停止したNGOもある。今回の地震で家を失った人も多く、財政が限られる暫定政権の被災者支援と今後の復興には困難が予想される。