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ハマス 集団虐殺か イスラエル 南部で遺体多数


ハマス 集団虐殺か イスラエル 南部で遺体多数 イスラエル・エルサレム、ガザ地区、ヨルダン川西岸、クファルアザ、ベエリ、スデロト、レバノン
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同】イスラエル軍が、侵入したイスラム組織ハマス戦闘員を一掃したイスラエル南部では、民間人の遺体が多数、軍により確認された。中には、子どもの遺体や首を切断された遺体も。軍は遺体を回収すると共に、身元確認を進めている。民間人の集団を狙った異例の「虐殺行為」の疑いに国際社会の非難が高まるのは必至だ。 (1面に関連)
 ガザ境界から約3キロにあるキブツ(集団農場)、クファルアザ。地元メディアなどによると、多数の民家が燃やされたほか、軍兵士らは民家内で多数の遺体を発見した。「こんな悲惨な現場は見たことがなく、2人の子どもの遺体を見たときは心が張り裂けた」と兵士の一人。軍幹部は「もはや戦争ではなく、虐殺だ」と怒りをあらわに。「祖父母時代に発生した(ロシアで起きたユダヤ人迫害の)ポグロム以上だ」と強調した。数百人が殺害された可能性がある。
 境界から約5キロのキブツ、ベエリでも多数の遺体が見つかっている。救急隊の一人は100人以上が殺されたと指摘、「悲惨な任務だ。子どもの遺体もある」と述べた。
 境界近くのスデロトでも、民間人少なくとも20人が殺害された。ハマス戦闘員は自動小銃で武装し小型トラックなどで侵入、路上の民間人を乱射したほか、警察署を襲撃し警察官らを殺害した。
 同じく境界付近で開かれていた音楽フェスティバル会場も襲撃され、250人以上の死亡が確認されている。
 ハマス戦闘員は7日早朝、ガザとイスラエルを分離するフェンスを破壊し侵入、20カ所以上を襲撃した。民間人を殺害したほか兵士ら130人以上を拉致、人質としてガザ内に拘束している。
10日、レバノン国境に配備されたイスラエル軍の戦車(AP=共同)
防犯カメラが捉えたベエリのキブツに入るイスラム組織ハマスの戦闘員=7日(South First Respondersのテレグラムより・ロイター=共同)