有料

中国、豪記者を解放 3年拘束、関係修復進む


中国、豪記者を解放 3年拘束、関係修復進む 中国からオーストラリアに帰国したチェン・レイさん(右)と出迎えたウォン外相=11日、メルボルン(オーストラリア外務貿易省提供・共同)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

中国からオーストラリアに帰国したチェン・レイさん(右)と出迎えたウォン外相=11日、メルボルン(オーストラリア外務貿易省提供・共同)
 【シドニー、北京共同】オーストラリアのアルバニージー首相は11日、中国で拘束されていたオーストラリア人ジャーナリストで中国のテレビキャスターを務めていたチェン・レイさん(48)が約3年ぶりに解放され、帰国したと発表した。チェンさんはこの日、メルボルンの空港に到着し、子ども2人ら家族と再会した。
 中国国家安全省は、チェンさんが懲役2年11月の刑期を終えたため11日に国外退去させたと発表した。昨年5月の政権交代で誕生したアルバニージー労働党政権は中国との関係修復に乗り出し、石炭や大麦など貿易制限の多くが撤廃された。チェンさん解放も交渉を進めていた。年内に中国を公式訪問し、習近平国家主席と会談する予定だ。
 アルバニージー氏は記者団に「政府が長期間にわたり(解放を)求めてきた結果だ」と話した。
 中国外務省の汪文斌副報道局長は11日の記者会見で「オーストラリアとの健全で安定した関係は両国民の利益に合致し、地域の平和と安定にも有益だ。関係改善を進めたい」と述べた。
 両国は、香港、ウイグル情勢や新型コロナウイルスの起源調査を巡って2020年以降に関係が険悪化。チェンさんは同年8月に拘束された。国家安全省はチェンさんが業務で知った国家機密を携帯電話で海外機関に違法に提供した罪を認めたと主張した。