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G7 中東情勢悪化懸念 原油高騰、経済打撃か


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【マラケシュ共同=東本由紀子】先進7カ国(G7)は12日、財務相・中央銀行総裁会議を北アフリカ・モロッコのマラケシュで開いた。イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘による中東情勢悪化への懸念が広がる中、原油相場の高騰など世界経済への打撃となり得る課題に、どのような認識を示すかが焦点だ。ウクライナ侵攻への制裁として凍結したロシアの資産の活用も議論する。
 中東産油国からの供給不安が高まり、高値への警戒感が和らいでいた原油相場は再び上昇の兆しが出ている。原油高騰は光熱費や輸送費の上昇を招き、企業収益を圧迫する要因となる。
 ロシア凍結資産の活用を巡って、欧州連合(EU)は凍結資産から生じる利子などをウクライナの復興に充てることを模索。米国はEU案を支持している。ただロシアの同意なく活用すれば国際法に抵触する恐れがあり、G7内でも立場に違いがある。
 凍結対象となっているのはロシア中央銀行の海外資産のほか、武器の調達などに携わる団体や個人の財産で、推定約2800億ドル(約41兆円)。世界銀行によると、ウクライナの復興には少なくとも約4110億ドルかかるとみられている。