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「これからも共に闘いを」 アイヌ団体「残念」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 オーストラリアで14日、先住民の意見を議会に反映しやすくする憲法改正の是非を問う国民投票が否決確実となったことについて、北海道浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」のメンバー差間啓全さん(56)は「結果は残念だが、これからも共に闘い続けてほしい」と話した。
 同団体は、先住民族が地元河川で経済活動としてサケを捕獲する権利(先住権)があると主張。権利を認めるよう求め国や道と係争しているほか、今年5月には理解促進を図るため、オーストラリアを含め5カ国・地域の先住民族などを招きシンポジウムを開いた。
 日本では2019年5月、法律として初めてアイヌを「先住民族」と明記し、文化の維持・振興へ交付金制度を設けるアイヌ施策推進法が施行。だが先住権は認められず、伝統的なサケ漁の「許可の簡素化」にとどまった。
 差間さんは「日本では先住民と明記されても、実生活における権利が認められているとは感じない。私たちは係争中なので、お互い励まし合いながら進んでいきたい」と話した。