有料

住民犠牲「虐殺だ」 廊下で麻酔なし手術も ガザ病院爆発


住民犠牲「虐殺だ」 廊下で麻酔なし手術も ガザ病院爆発 17日、パレスチナ自治区ガザで爆発した病院から運ばれた負傷したパレスチナ人の子ども(ゲッティ=共同)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【カイロ共同=吉田昌樹】パレスチナ自治区ガザの病院で17日に起きた爆発。イスラム組織ハマスとイスラエル軍の大規模戦闘を受け、病院に避難していた住民など470人以上が犠牲になった。搬送先の別の病院は収容能力を上回り、廊下などで麻酔なしの手術が行われていると保健当局。ハマスはイスラエル軍の攻撃と主張し、ガザ住民は怒りに包まれ「虐殺だ」との声を上げた。 (1面に関連)
 中東メディアの映像では、現場周辺に駆け付けた多くの救急隊員らが、毛布も使って負傷者を運び出した。搬送先の病院は混乱状態。うなだれた女性や、憤りをあらわにする男性もいた。包帯を頭に巻き、泣き叫ぶ赤ちゃんの姿もあった。
 爆発時のものとされる映像では、暗闇の中で爆発音とともにオレンジ色の炎が上がった。
 AP通信によると、爆発の負傷者が搬送された病院は既に満床で、負傷者は血まみれの床に寝かされ、痛みで叫び声を上げているという。病院の責任者は「備品、薬、ベッド…、全てが必要だ」と主張。発電用の燃料も残り数時間分しかないと訴えた。
 中東メディアに登場したパレスチナ人政治家は「世界が見ている前で虐殺が行われた」と声を震わせた。国連によると、ガザ中部で国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校も17日に攻撃を受け、6人が死亡。学校には住民らが避難していた。
17日、パレスチナ自治区ガザの病院が爆発した後、別の病院内で座り込む負傷したパレスチナ人ら(AP=共同)
17日、パレスチナ自治区ガザで爆発した病院から運ばれた負傷したパレスチナ人の子ども(ゲッティ=共同)