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難民申請、過去最多に迫る 日本 1~9月で1万1千人超


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 日本で難民認定を申請する外国人が今年急増し、1~9月で1万1千人を超え、通年で1万9629人と過去最多だった2017年に迫る勢いであることが23日、関係者への取材で分かった。
 新型コロナウイルス感染防止の水際対策が終わり、世界各地で紛争が多発していることなどが原因とみられる。申請者の増加に伴い、認定者も増えるか注目される。
 難民申請者は、申請の6カ月後に就労が認められるようになった10年以降、大きく増加した。難民申請が乱用されているとして、法務省入国管理局(現出入国在留管理庁)が18年、申請を繰り返した場合は在留を認めないなどの対策を取ると、減少に転じた。
 コロナ禍の20年からは、入国制限で来日外国人が激減したのに伴い、2千~3千人台で推移していた。
 今年の急増の原因は(1)4月に水際対策が終了し、母国から脱出したくてもコロナ禍で動けなかった人が新たに入国し申請した(2)アフリカをはじめ紛争や政情悪化が相次ぎ、既に来日していた人が申請に踏み切った―などが指摘されている。
 急増の結果、政府が難民申請者の生活を支援する「保護費」の支給が遅れるなど、影響も出ている。平均約2年9カ月(異議手続きも含めると3年11カ月)かかっている難民審査の期間が、さらに延びる恐れもある。