【ブリュッセル、エルサレム共同=桜山崇、吉田昌樹】欧州連合(EU)は26日、ブリュッセルで首脳会議を開き、イスラエル軍とイスラム組織ハマスに戦闘の「一時中断」を要請する方針で合意した。パレスチナ自治区ガザへの本格的な地上侵攻を見据えるイスラエルに対する圧力を高めた。ただイスラエル軍は攻撃を緩めず、ガザ側の死者は27日までに7千人を超え、双方の死者は計8400人以上になった。戦闘は28日で3週間。
オースティン米国防長官は26日、米軍がシリアにあるイラン革命防衛隊の関連施設2カ所を空爆したと発表した。イスラエルと対立する親イラン組織がイラクやシリアで駐留米軍への攻撃を急増させていることの報復措置。米軍によると、7日の戦闘開始後、米軍が親イラン組織の関連施設に空爆するのは初めて。戦闘が中東の地域紛争に拡大することを抑止する狙いがあるとみられる。
EU首脳が合意した文書はガザ情勢について「支援が必要な人々への継続的かつ迅速、安全な人道的アクセスの確保」を呼びかけた。イスラエルの自衛権は国際人道法の範囲内で認めるとした。
26日の国連総会でもガザの人道危機への懸念を表明し停戦などを求めた。エジプトなどアラブ9カ国の外相も26日、即時停戦を実現するよう国連安全保障理事会に求める共同声明を発表した。
イスラエル軍は27日、ガザで陸上部隊による標的を定めた越境作戦を26日~27日朝に行ったと発表した。
27日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファの避難先でパンを焼く女性(AP=共同)