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国軍兵ら30人を殺害 ミャンマー少数民族 異例の一斉攻撃


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ヤンゴン共同】ミャンマー北東部シャン州などで27日、国軍の拠点に対し、三つの少数民族武装勢力が共闘して一斉攻撃を仕掛け、国軍兵士ら30人以上を殺害した。地元メディアが28日伝えた。検問所などを占拠し、一部主要道も封鎖した。戦力で優位に立つ国軍への異例の攻撃で、2021年の国軍によるクーデター以降戦闘が長期化する中、戦況打開のため強攻策に出た可能性がある。
 攻撃に関し、以前から協力関係にある「ミャンマー民族民主同盟軍」と「アラカン軍(AA)」、「タアン民族解放軍」が声明を発表。軍事政権を倒し、国軍による空爆をやめさせるとして、攻撃作戦開始を宣言した。中国との国境付近でオンライン詐欺拠点が広がっているとも指摘し、根絶するとも訴えた。
 シャン州内の中国と国境を接するチンシュエホーなど少なくとも5地区や中部マンダレー地域で攻撃。国軍は空爆で反撃したという。市民も巻き込まれて犠牲者が出ている。
 国軍は民主派武装組織「国民防衛隊(PDF)」や他の少数民族とも交戦状態で、波及して全土で戦闘が激化する恐れもある。