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梨泰院雑踏事故 市民「忘れない」 1年で追悼式


梨泰院雑踏事故 市民「忘れない」 1年で追悼式 29日、ソウル梨泰院の雑踏事故から1年となり、現場で犠牲者を追悼する人たち
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ソウル共同】日本人2人を含む159人が死亡した韓国ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)の雑踏事故から29日で1年となり、ソウル中心部の広場で遺族会などが追悼式を開いた。遺族会の李正敏(イジョンミン)運営委員長は「日常生活が止まったままの日々は悪夢だ」と娘を亡くした悲しみを語った。事故現場には多くの市民らが訪れて黙とうをささげ、未曽有の惨事を「決して忘れない」と誓った。
 李氏は追悼式で「不幸な現実を直視しなければならない」とし、事故の真相究明を図る特別法制定を訴えた。兵庫県明石市で2001年に起きた歩道橋事故で次男を亡くした下村誠治さん(65)も登壇。「再発防止のためにできることを(梨泰院事故の)遺族や被害者とともに精いっぱい進めていきたい」と語った。
 遺族らが出席を求めた尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は参列しなかった。韓国メディアによると「政治色が強い」ことが理由だという。
 現場では、事故から1年となるのを前に遺族会や支援団体がモニュメントを設置。隣接する壁に、訪れた人々が「天国では幸せでいて」「同じことは起こさない」などのメッセージを書いた多くの付箋が貼られた。