日本赤十字社中東地域現地代表部首席代表の松永一さんが30日、イスラエル軍による空爆の危険にさらされているパレスチナ自治区ガザ北部ガザ市のアルクッズ病院について、駐在先のレバノンからオンラインで報告した。病院には入院患者や避難者ら「1万4千人以上が今も身を寄せている」と指摘し「攻撃対象になることは何としても避けたい」と危機感をあらわにした。
病院はパレスチナ赤新月社が運営。日本赤十字社は2019年から医師や看護師を病院に派遣し、心臓や血管の手術を支援してきた。松永さんはこの日、ガザの病院関係者から伝えられた話を報告した。
松永さんによると、病院は負傷者であふれかえり、医師らは床に患者を寝かせて治療。29日の空爆では病院への直撃は免れたものの約50メートル先に着弾。30日も攻撃はやまず、玄関ホールなどに避難する市民が爆撃で地面が揺れるたびにパニックを起こしているという。
松永さんは病院にとどまる医師らに思いをはせ「今日あすで命がなくなるかもしれない中で仕事をしている。胸がつぶれる思いだ」と吐露。「多くの人に状況を知ってもらい、攻撃を止めたい」と訴えた。
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病院攻撃に懸念 日赤職員、1.4万人身寄せる
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琉球新報朝刊
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