有料

北朝鮮 打ち上げ延期か 10月予告の衛星、兆候なし


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【北京、ソウル共同】北朝鮮が10月に行うと予告した軍事偵察衛星の3回目の打ち上げは、切迫しているとの兆候が伝えられず、31日までには実施されない見通しとなっている。一方、韓国紙の東亜日報は同日、北朝鮮北西部、東倉里の西海衛星発射場でロケット燃料が運び出される動きを米韓が把握したと報道、エンジン燃焼実験が複数回行われたとみている。
 北朝鮮は軍事偵察衛星の運用などが米国の宇宙戦略に対抗して自国の生存権を守る「必須不可欠の戦略的選択」だと強調しており、準備が整えば打ち上げに踏み切る公算が大きい。
 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が9月にロシア極東アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で会談したプーチン大統領は、ロ朝間の軍事技術の協力強化に意欲を表明した。日米韓は、ロシアが今後北朝鮮の宇宙関連技術も支援する可能性があるとみて警戒している。
 北朝鮮は5月31日と8月24日に、いずれも西海衛星発射場から新型衛星運搬ロケット「千里馬1型」で軍事偵察衛星「万里鏡1号」の打ち上げを試み、2回とも失敗した。