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邦人10人と家族 ガザ退避 難民キャンプ連日空爆


邦人10人と家族 ガザ退避 難民キャンプ連日空爆 ガザ地区を巡る状況、イスラエル軍の進軍エリア
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 エジプト政府系メディアなどは、ガザから1日、外国籍保有者361人と負傷者46人がエジプト側に出たと伝えた。戦闘後、封鎖下のガザから住民や外国人援助関係者らが脱出するのは初めて。
 エジプト外務省は2日、ガザから外国籍保有者約7千人が退避してくると想定し、受け入れを準備していると発表。国籍は60カ国超という。
 日本政府は退避した18人の健康状態に問題はないとしている。一方、退避を希望しない日本人1人がガザに残っていることも明らかにした。
 イスラエル軍は1日もハマスを標的に人口密集地のジャバリヤ難民キャンプを再空爆した。ガザ当局によると120人が行方不明で、負傷者は770人以上。中東メディアは2日もキャンプに空爆があったと伝えた。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)はX(旧ツイッター)でキャンプ空爆は「戦争犯罪」となる可能性があるとした。
 イスラエルメディアによると軍司令官は1日の会見で、この5日間で「ハマスの地下トンネルなどを破壊した」と説明。軍はハマスの対戦車ミサイル部隊トップを殺害しガザ北部でハマスの前線を突破したと主張した。
 「国境なき医師団」(MSF)は1日、ガザで活動していた外国人スタッフ全員がエジプトに退避したと発表。医師や看護師ら日本人の男女3人が1日、エジプト側に出たと明らかにした。
 バイデン米大統領は外国籍保有者の退避について「集中的な米外交の成果」と強調し、こうした動きは数日間続くとの見通しを示した。
 戦闘による死者はガザ側が9061人で、イスラエル側と合わせ計1万400人以上となった。
1日、パレスチナ自治区ガザのジャバリヤ難民キャンプで、イスラエルの攻撃で破壊された建物から少女を救出しようとするパレスチナ人ら(AP=共同)
 【エルサレム共同=吉田昌樹】イスラエル軍と戦闘中のイスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザから退避を希望した日本人10人と家族のパレスチナ人8人が1日、エジプトに退避した。日本政府が2日、明らかにした。軍は1日もガザ北部の難民キャンプを前日に続き空爆し、ガザ当局によると2日間で計195人が死亡。軍司令官は1日、部隊が中心都市の北部ガザ市の「入り口にいる」とし、激しい地上戦が続いていると主張した。
パレスチナ自治区ガザのエジプト境界にあるラファ検問所から退避した国境なき医師団の日本人スタッフ(手前の3人)=1日(関係者提供・共同)