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ロ、CTBT批准撤回 大統領署名、核軍縮後退へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 ロシアのプーチン大統領は2日、ロシアが2000年に手続きを完了した包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回する法律に署名し、発効させた。同国政府が公表した。
 ロシアのリャプコフ外務次官らは、米国より先に核実験を行うことはないと強調。批准撤回後もCTBTの規定は順守し、核実験に関するモラトリアム(凍結)も守ると説明しており、ロシアが直ちに核実験を再開する状況にはない。
 しかし核大国ロシアの批准撤回は北朝鮮などの核実験を助長する可能性があり、ウクライナ侵攻に伴う米ロの対立で悪化した国際的な核軍縮機運の一層の後退は必至だ。
 核実験を禁止するCTBTは1996年9月の国連総会で採択。ソ連時代末期の91年秋に核実験の一時停止を宣言したロシアはCTBTに96年に署名し、プーチン氏が2000年5月の大統領就任直後に関連法に署名し批准した。