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日本での投稿、禁錮2月 香港、独立主張で扇動罪


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【香港共同】日本留学中に香港の独立を訴える投稿を交流サイト(SNS)にしたとして、刑事罪行条例違反(扇動の意図を有する行為)罪に問われた香港人女性に、香港の裁判所は3日、禁錮2月の実刑判決を言い渡した。
 同罪には、海外での行為も摘発の対象とする域外管轄権の規定はないが、裁判所は投稿をした場所が香港かどうかにかかわらず、罪が成立するとの考えを示した。海外に住む香港人らを萎縮させ、SNSでの自由な発言がより難しくなる可能性が高い。
 女性は2018年9月から22年5月までの間、「香港独立を主張する」「テロ組織共産党」「共産党を滅ぼせ」などとする13件の投稿をした。うち11件は日本に留学していた際のものだった。
 裁判所は13件の投稿について「一般市民が閲覧できた」と指摘。うち1件は日本語での投稿だったが、日本語ができる香港市民であれば内容が分かるとして、有罪の根拠になるとした。
 公判で女性側は当初、日本での投稿は罪に問われるべきではないとの立場を主張したが、罪を認める考えを示した。女性は控訴しない考えだ。
 18年10月から留学を始めた女性は身分証更新のため香港に戻った今年3月、投稿が問題視され、香港国家安全維持法(国安法)の国家分裂扇動容疑で逮捕された。同法には域外管轄権の規定がある。香港では19年に民主派による大規模な反政府デモが発生。民主派を抑え込むため中国指導部の主導で国安法が導入され、取り締まりが強化されている。