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AI技術検証、官民で 英で安全サミット閉幕


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ミルトンキーンズ共同】英政府がロンドン郊外ミルトンキーンズで開いた「人工知能(AI)安全サミット」は2日、最終日の討議を終えて閉幕した。欧米や日本などの高官やAI開発企業の出席者が、新技術の安全性を官民で協力して検証する方針で合意。AIの可能性とリスクを科学的に分析するために専門家が集まり、報告書を作成することでも一致した。
 スナク英首相は閉幕の記者会見で「これまでは開発企業がAIの安全性を検証していた。その仕組みを変えなければならない」とし、各国政府が関与する必要性を訴えた。安全性の議論は「主要なAI大国を巻き込むことから始める必要がある」と述べ、高度なAI技術を持つ中国が今回のサミットに参加した意義を強調した。
 AIの安全性やリスク管理を主眼とした世界初のサミットは1日から2日間開催。2日の討議では、企業が新しいAI技術を発表する前に、政府が安全性の試験に関与することで合意。英国では新設した「AI安全研究所」がその役割を担う。この日出席した政府は初日と違って「同志国」に限られ、中国は欠席。合意の履行に課題を残した。