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中豪 関係改善を加速 首脳会談 TPP加盟働き掛け


中豪 関係改善を加速 首脳会談 TPP加盟働き掛け アルバニージー首相(ロイター=共同)
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 【北京共同】中国の習近平国家主席とオーストラリアのアルバニージー首相は6日、北京で会談し、冷え込んでいた両国関係の改善を加速させる考えで一致した。オーストラリア首相の訪中は約7年ぶり。中国には環太平洋連携協定(TPP)加盟交渉入りをオーストラリアに認めさせたい思惑がある。日本と同様に中国加盟に慎重な立場を取ってきたオーストラリアが首脳会談を契機に容認に転じるかどうか関心を集めている。
 今月中旬に米中首脳会談を控える習氏は日米豪印の協力枠組み「クアッド」や米英豪の安全保障枠組みAUKUS(オーカス)を念頭に「排他的なグループ形成はアジア太平洋を混乱させる」と述べ、オーストラリアが加わる米主導の対中包囲網をけん制した。中国国営中央テレビが伝えた。
 オーストラリア首相府によると習氏は会談で「健全で安定した関係は両国の利益になる」と強調。アルバニージー氏は中国との「強力な関係」が利益につながると応じ、習氏を自国に招待した。
 TPPについてアルバニージー氏は5日の記者会見で「(参加する)どの国も高水準のルールを順守できることを証明しなければならない」と発言。オーストラリアのAAP通信は中国のTPP加盟申請への支持を排除しない姿勢を示したと伝えた。ただ首脳会談後の会見では「その問題を交渉しに来たわけではない」と述べ、賛否に言及しなかった。
 両国は新型コロナウイルスの起源調査や香港情勢などを巡り対立したが、昨年5月の政権交代で就任したアルバニージー氏が関係修復に乗り出した。中国はオーストラリアを標的とした貿易措置を相次ぎ撤廃し、石炭輸入を再開したほか大麦やワインへの制裁関税を見直す方針に転換。拘束していたオーストラリア人ジャーナリストのチェン・レイさんを解放した。