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ガザ病院に「ハマス指揮所」 イスラエル軍、捜索継続


ガザ病院に「ハマス指揮所」 イスラエル軍、捜索継続 15日、ガザ市のシファ病院の敷地内とされる場所を調べるイスラエル兵士ら(イスラエル軍提供、ロイター=共同)
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 【エルサレム、ニューヨーク共同】パレスチナ自治区ガザで地上侵攻を続けるイスラエル軍は15日夜、北部ガザ市にある地区最大のシファ病院の内部で「イスラム組織ハマスの作戦指揮所や武器を発見した」と主張した。病院地下にハマス中枢の司令部があるとみて捜索を続ける。
 AP通信によると、イスラエルのガラント国防相は15日、地上侵攻は「北部と南部の両方を含む」と述べ、地上部隊が今後ガザ南部に進軍する可能性も示唆した。
 イスラエル軍はシファ病院内部で発見したとする武器などの映像を公開した。病院攻撃は国際法違反だとの批判が世界的に高まっており、正当性を訴える狙いがある。
 だが15日未明の病院突入から丸1日捜索した結果としては武器が多くなく、地下トンネルの有無も不明。病院の軍事利用を否定するハマスは「占領軍が出す証拠には意味がない」と主張した。
 ガザ当局は15日、イスラエル軍兵士が医療スタッフや患者らをたたき「裸にして武器で脅しながら尋問のため連行した。民間人への組織的な戦争犯罪だ」と非難した。
 軍は「シファ病院のMRI病棟で自動小銃や手りゅう弾、戦闘用ベストなどを見つけた」と強調。ハマスが使うパソコンなど「技術的資産」も発見したほか、作戦指揮所があったとしている。軍は病院突入時にハマス戦闘員を殺害。院内の衝突は報じられていないが、中東メディアによると病院周辺で16日、戦闘があった。院内との通信も途絶えているという。
 一方、バイデン米大統領は15日の記者会見で、イスラエル軍によるガザの医療機関への攻撃は無差別攻撃に当たらないとの認識を示した。