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「戦闘員はどこだ」 軍、病院避難者に詰問


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同】「ハマスの戦闘員はどこだ」―。パレスチナ自治区ガザに地上侵攻するイスラエル軍が15日、ガザ最大の医療機関シファ病院に突入した際、イスラム組織ハマスの戦闘員の行方について、病院に身を寄せる避難民らに厳しく詰め寄っていたことが16日、分かった。避難民らが共同通信の電話取材に証言した。
 「兵士は医療スタッフや避難民を尋問した。私はハマス幹部について問われた。戦闘員が病棟に入ったかどうかも聞かれた」。避難民のサルマ・アブラマダンさん(25)は兵士が必死そうだったと振り返る。「病棟を出たり入ったりし、病院とハマスとの関係を一生懸命調べていた」という。
 病棟から中庭に連れて行かれたとの証言も。避難民のアブハレドさん(40)は「兵士が病棟に来て患者も含め私たちは外に出された。戦車が何台も中庭にあった。兵士は地下トンネルの入り口を探しているようだった」と話す。中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると兵士は病棟を内部から破壊し医療機器を壊した。病院にいた一部の人々は裸にされたほか、目隠しをされてどこかに連れていかれたとの情報がある。ガザ保健当局は病院の技術関係職員2人が拘束されたと発表した。
 アブラマダンさんによると、イスラエル軍は病院敷地内からの出入りを禁止しているとみられる。「中庭には(埋葬のできない)遺体が残され、臭いがきつい。私は数十の遺体が残されたままの救急病棟に閉じ込められ、出られない。食べ物はデーツ(ナツメヤシの実)しかない」と話した。