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政権交代「最重要目標」に 民衆党柯氏 台湾総統選、野党共闘で


政権交代「最重要目標」に 民衆党柯氏 台湾総統選、野党共闘で 取材に応じる台湾民衆党の柯文哲・前台北市長=台北近郊
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【台北共同】来年1月の台湾総統選への出馬を表明している台湾民衆党の柯文哲・前台北市長(64)は17日までに、台北近郊で共同通信加盟社論説研究会の訪問団の取材に応じた。最大野党、国民党との候補一本化の決断について、住民の「将来の(生活への)心配や戦争への不安」の声を耳にし、政権交代を「最重要目標」にするべきだと考えたと述べた。
 国民党と民衆党は15日、候補一本化で合意。18日に国民党の侯友宜・新北市長(66)との間で、どちらを総統候補にするかが発表される。世論調査による決定方法を巡り、民衆党側が最後に国民党側に譲歩したが、柯氏は「負けるとは限らない。勇敢に挑戦する」と述べた。
 柯氏は、世論調査で6割以上が政権交代を望んでいることや、最近訪れた中南部で住民から「想像を超える大きさの将来への不安」の声を聞いたことを紹介。2期続く与党、民主進歩党(民進党)政権は「腐敗」しているとも主張し、政権交代の必要を訴えた。
 ただ民衆党の組織力はまだ弱く、国民党と協力しなければ民進党候補の頼清徳副総統(64)に勝てず、政権交代が実現できないと強調。一方、選挙戦では国民党との協力後、第三勢力としての民衆党を支持している支持者をつなぎ留めることができるかどうかが「困難な仕事」になるだろうとの考えを示した。
 国民党とは「連合政府」をつくると表明。民衆党は、主に政権の腐敗防止を目的に法務や人事などの監視機能を持つ部門を担当することになると説明した。
 また中国と対立する民進党政権について、台湾内部での反中感情をあおることを「政治動員の道具にしている」と批判。自身が目指す包容力のある社会の理念とは相いれないと主張した。