【ブエノスアイレス共同】南米アルゼンチンで19日、大統領選決選投票が行われ、右派で小さな政府を志向するリバタリアン(自由至上主義者)の第三極候補ハビエル・ミレイ下院議員(53)が、与党連合の中道左派セルヒオ・マサ経済相(51)を破り初当選を果たした。勝利した経済学者のミレイ氏は過激な言動からトランプ前米大統領に例えられることもあり、通貨の米ドル化や中央銀行の廃止を唱える。
経済危機が長引くアルゼンチンでは通貨ペソの大幅下落や激しいインフレが国民生活を直撃。貧困層が4割を超える中、経済対策が大きな争点となった。改善の兆しが見えない経済に多くの有権者が変化を求めた形だ。
ミレイ氏は首都ブエノスアイレスで支持者らを前に「きょう、アルゼンチンの再建が始まる」と勝利宣言し「われわれが必要な変化は抜本的なものだ。手ぬるくやっている余裕はない」と現政権からの転換を強調した。
選挙戦でミレイ氏は既存政治を激しく批判し、公金支出の大幅な削減や国営企業の民営化を訴えた。中国を「共産主義」と批判しており、これまでのアルゼンチンの親中姿勢を転換して米国との関係強化に動く見通し。
選挙管理当局の集計(開票率99%)によると、ミレイ氏は得票率55・7%で、マサ氏は44・3%。10月の第1回投票で首位だったマサ氏は敗北を認めた。
ミレイ氏は、マサ氏が率いてきた国際通貨基金(IMF)との債務交渉などを含め、今月20日に政権移行手続きに着手。廃止を訴えている通貨ペソは、対ドルで大きく下落して混乱が広がる懸念もある。
トランプ氏は19日、ミレイ氏の勝利について「非常に誇らしく思う。アルゼンチンの方針を変え、再び偉大にするだろう!」と自身のソーシャルメディアに投稿した。
ミレイ氏は12月10日に就任し、任期は4年。有権者は約3540万人。
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アルゼンチンに右派大統領 中銀廃止主張 ミレイ氏
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琉球新報朝刊
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