1963年11月、ジョン・F・ケネディ米大統領=当時(46)=が南部テキサス州で凶弾に倒れてから22日で60年。長女キャロライン氏(65)は駐日大使を経て駐オーストラリア大使に転じ、おいの弁護士ロバート・ケネディ・ジュニア氏(69)は来年の大統領選に出馬している。一族は今もなお米政界で存在感を示すが、路線を巡り骨肉の争いも起きている。
「恥さらしだ」。キャロライン氏の息子ジャック・シュロスバーグ氏(30)は7月、新型コロナウイルスに関する根拠のない陰謀論を唱えるジュニア氏が民主党の候補指名争いに出馬したことを批判した。
10月に無所属に切り替えたジュニア氏は「二大政党からの独立」を主張。民主党のバイデン大統領(81)と共和党のトランプ前大統領(77)の再対決の可能性に嫌気が差した有権者の受け皿となり、双方から票を奪う可能性が指摘される。
ケネディの弟で68年の大統領選に出馬し、選挙戦の最中に暗殺されたロバート元司法長官を父に持つ。注目度は高いが、妹ケリー氏(64)からも「真実ではない嘆かわしい発言」を続けていると非難され、一族から完全に異端視される。
オバマ元大統領の広島訪問実現に取り組んだキャロライン氏も、ジュニア氏の出馬を批判した息子に同調する。自身を駐オーストラリア大使に指名したバイデン氏の再選戦略に影響を与えかねないと懸念を強めているとみられる。
ケネディ一族は何人もの政治家を輩出し、著名人との交際など華々しさを誇る一方、ケネディ、ロバートの暗殺やキャロライン氏の弟の事故死など数々の悲劇にも見舞われた。
関心を集め続けるのは、43歳で就任したケネディが理想主義と若さで国民を魅了し、世界が核戦争の瀬戸際に立ったキューバ危機回避へ指導力を発揮して鮮烈な記憶を残したからだ。
ケネディは63年11月22日、テキサス州ダラスで、妻のジャクリーンらを伴い、オープンカーで市内をパレード中に、頭部などに複数の銃撃を受け、死亡した。
実行犯として逮捕されたリー・オズワルド容疑者は警察から拘置所に移送される途中、テレビカメラが見守る中でナイトクラブ経営者に射殺された。ケネディ暗殺はオズワルド容疑者の単独犯行とされるが多くの謎が解明されていない。(ワシントン共同=高木良平)
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ケネディ家、亀裂も JFK暗殺60年 おいの出馬に批判
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琉球新報朝刊
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