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「ただ生きたいだけ」 住民疲弊、ハマス批判も ガザ戦闘休止


「ただ生きたいだけ」 住民疲弊、ハマス批判も ガザ戦闘休止 ガザ地区を巡る状況、イスラエル軍の進軍エリア
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【カイロ共同】「この地獄を終わらせてほしい。毎分毎秒、誰かが死んでいる。せめて息がしたい」。パレスチナ自治区ガザを実効支配してきたイスラム組織ハマスとイスラエルが22日、戦闘休止を発表した。極限まで疲弊するガザ住民の間には安堵(あんど)の声とハマスへの批判が交錯した。 (1面に関連)
 野菜売りのハーイル・ヒクマットさん(31)は「ニュースを聞いたときにはうれしくて泣いた。この日をどれだけ待っていたか」と明かした。イスラエルにガザ北部を追い出され、南部ハンユニスの学校に家族で身を寄せる。「もう疲れ切ってしまった」と嘆く。
 批判の矛先は、強硬な抵抗運動に突き進むハマスにも向かう。「私たちの夢は単純だ。働いて家族や子どもを養いたい。政治や抵抗運動なんてどうでもいい。ただ生きたい。それだけだ」とぶちまけた。
 イスラエル軍が侵攻するガザ北部のインドネシア病院近くに避難する主婦ルブナ・バシールさん(39)は「砲撃や戦闘機の音が聞こえない日を夢見ている。休止でも停戦でも何でも支持する。早く、遅れることなく戦闘を停止して」と訴えた。
 今回、ハマスが拘束する人質の解放の交換条件として、イスラエルが拘束中のパレスチナ人150人が釈放される。バシールさんは「150人を取り返すために(ガザ住民)1万4千人以上が犠牲になったのか。もうたくさんだ。ガザでは病気がまん延し、食べ物も飲み水もない。何もない」と泣きながら語った。