処理水制限値　大きく下回る　ＩＡＥＡが強調

　【ウィーン共同】国際原子力機関（ＩＡＥＡ）の定例理事会が２２日始まった。グロッシ事務局長は冒頭、東京電力福島第１原発の処理水の海洋放出に関して、原発近くの海水を独自に分析した結果、放射性物質トリチウムのレベルは日本の制限値を大きく下回っていると強調した。イランが６０％に濃縮したウランなどの貯蔵量を増やしていることに懸念を表明した。２４日までの予定。
　グロッシ氏は、原発にＩＡＥＡの専門家を配置していると説明し、放出期間中「独立した監視と確証作業は続く」と述べた。福島第１原発の処理水の海洋放出を巡っては、中国が改めて批判する可能性がある。
　処理水放出について、関係筋は「中国が言及するだろうが、大きな議題にならないだろう」との見通しを示した。中国の主張が大きく支持を広げる状況ではなさそうだ。