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韓国付近で戦力復活 北朝鮮 合意停止に対抗措置


韓国付近で戦力復活 北朝鮮 合意停止に対抗措置 韓国・ソウル、北朝鮮・平壌、軍事境界線、東倉里
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ソウル、ニューヨーク共同】北朝鮮の国防省は23日、韓国との軍事境界線付近で陸海空の戦力配置を復活させるとの声明を発表した。韓国が軍事合意の効力を一部停止し、軍事境界線付近での監視を再開したことへの対抗措置。韓国が「情勢を統制不可能な局面に追い込んでいる」と批判し、今後は南北軍事合意に縛られないと宣言した。朝鮮中央通信が伝えた。朝鮮半島の軍事的緊張がさらに高まりそうだ。
 韓国の情報機関、国家情報院は23日、北朝鮮が21日に打ち上げた軍事偵察衛星について「発射は成功し、衛星が軌道に進入した」との分析を明らかにした。背景にロシアの技術支援があったとの判断も示した。地上との通信を確認できたかどうかには言及していない。国会委員会に報告した。
 国連安全保障理事会筋によると、安保理は今回の衛星打ち上げを協議する緊急会合を27日に開催する方針。日米などが要請した。
 韓国軍は23日、北朝鮮が22日午後11時5分(日本時間同)ごろ、首都平壌の順安付近から日本海に向けて弾道ミサイルを発射し、失敗したとみられると明らかにした。米軍と共に飛距離や詳しい性能を分析している。
 北朝鮮国防省の声明は、境界区域で「強力な武力と新型軍事装備を配備する」と表明。これまで韓国が意図的に北朝鮮を挑発して緊張を高めてきたと主張し「韓国とのいかなる合意も認めることはできず、付き合い自体してはいけないとの結論に至った」と訴えた。