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ウクライナ全土 無人機攻撃 ロシア軍、過去最大75機


ウクライナ全土 無人機攻撃 ロシア軍、過去最大75機 無人機の破片が落下し損傷した幼稚園=25日、ウクライナ・キーウ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【キーウ共同】ウクライナ空軍は25日、同日未明にロシア軍による75機の無人機攻撃が全土にあり、74機を撃墜したと発表した。昨年2月の侵攻開始以来で飛来数は過去最大という。うち50機が首都キーウ(キエフ)に飛来し、クリチコ市長によると最大規模。撃墜した破片により幼稚園や集合住宅で火災が起き、周辺のキーウ州では1万6千世帯が停電した。
 無人機は北東部スムイ州、南部ザポロジエ州方面にも飛来。キーウでは空襲警報が6時間以上解除されず、子どもを含む5人がけがをした。
 25日は、ソ連時代に400万人以上が死亡した大飢饉(ききん)(ホロドモール)の犠牲者追悼の日。ゼレンスキー大統領は「特別な日に70以上の無人機で攻撃があった。ロシア指導部は殺人を誇りに感じている」と非難した。
 火災が起きたキーウ市内の幼稚園では、園児はいなかったが、プレールームの壁が崩れ、おもちゃなどが散乱。被害を確認していたリラ・コシャンチュク園長(61)は「子どもたちがいなくて本当に良かった。遊び場が壊されたことが恐ろしい」と話した。
 英国防省は24日、ウクライナ軍の長距離兵器による攻撃でロシア軍が大きな被害を受けていると分析した。10日に南部ヘルソン州のドニエプル川東岸フラドキウカでロシア兵70人以上が死亡した可能性があると指摘。19日には東部ドネツク州クマチョボで式典会場が攻撃を受け、ウクライナ側はロシア兵25人が死亡したと主張している。
 それぞれ前線や支配地域の境界から数十キロ離れた場所で、長距離兵器が使われたとみられる。ロシアメディアによると、クマチョボでは兵士慰問のため訪れていた著名な俳優も死亡した。ウクライナ側でも今月に入り、ロシア軍の弾道ミサイルによる攻撃で一度に19人の兵士が死亡した。