有料

人質乗せたヘリに歓声 ガザ戦闘 パレスチナ側でも花火


人質乗せたヘリに歓声 ガザ戦闘 パレスチナ側でも花火 24日、イスラエル当局から釈放され、家族と再会するパレスチナ人(中央)=パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ナブルス(AP=共同)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【テルアビブ共同=田中大祐】解放された人質の一部を搬送したヘリコプターが24日夜、イスラエル中部テルアビブ郊外の病院に着陸すると市民から歓声が湧いた。再会を果たした家族は涙を流して抱き合った。イスラム組織ハマスの人質解放と引き換えにイスラエルもパレスチナ人を釈放し、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸では花火が上がった。 (1面に関連)
 解放されたイスラエルの少女アメリア・アロニちゃん(6)は母ダニエルさんと共に病院に搬送され、祖母と笑顔で抱き合った。母と共に解放されたオハッド・モンデル君(9)は病院の廊下を走って父親に抱きついた。妻、娘2人と再会したヨニ・アシェルさんは「家族を取り戻せてうれしい。涙が流れてくる」と談話を発表した。ただ「人質の最後の1人が戻るまで私は祝福はしない」と訴えた。
 人質家族への「連帯を示す」としてテルアビブの広場に集まったエディ・メイルさん(60)は「少しは気持ちが軽くなったが、まだ多くの人が取り残されている。心は晴れない」と語った。
 ヘリで子ども4人を含む8人が搬送されたテルアビブ郊外の病院は25日、全員の健康状態は良好だと明らかにした。病室にはおもちゃやぬいぐるみも用意したという。
 一方、ヨルダン川西岸にも24日夜、パレスチナ人釈放を喜ぶ大勢の人が集まった。現地からの報道によると、釈放された女性の1人は「釈放を知らされた時は驚いた。家族に会えると思い、うれしかった」と話した。別の女性は「ハマスのおかげで釈放された。ハマスを誇りに思う」と訴えた。
 ハマスはパレスチナ自治区ガザで人質を赤十字国際委員会(ICRC)に引き渡した様子とする映像を公開。戦闘員に囲まれ、女性らがICRCの車に次々と乗り込んだ。ガザ南部の検問所を通過してエジプトに入る際には車内から手を振る人も。人質はその後、イスラエルに向かった。